バイク業界を揺るがした「カタナ事件」の発端は、2000年代初頭にさかのぼります。あるライダーが全国展開する業界最大手チェーン「レッドバロン」の店舗で、長年の憧れであったスズキ・GSX1100S カタナの中古車両を購入したことからすべてが始まりました。
納車後、オーナーは走行中の激しいハンドリングの違和感や直進安定性の欠如に強い不審を抱きます。当初は旧車特有の癖やセッティングのズレを疑ったものの、どうしても違和感が拭えず、他店や専門のカスタムショップに車体の詳細点検を依頼。そこで判明したのは、素人目にも明らかな「メインフレームの破断と、その上から施された極めて雑な再溶接の痕跡」という衝撃的な事実でした。
オーナーが購入店舗へクレームを入れ、契約の解除や相応の対応を求めたものの、当初の店舗側対応は「走行に支障はない」「中古車の現状販売である」といった趣旨で突っぱねる姿勢を見せたとされています。これに憤慨したオーナーが、溶接痕の証拠写真とともに大手ネット掲示板(当時の2ちゃんねる・バイク板)へ経緯を投稿したことで、瞬く間に全国のライダーへ拡散し、前代未聞の大炎上へと発展しました。