発売当時、世間の一部にはヌード写真集に対する強い抵抗感や偏見が存在していた。しかし、『Santa Fe』が店頭に並ぶやいなや、そうした雑音は一瞬で吹き飛ぶことになる。そこに印刷されていたのは、センセーショナルな露出ではなく、研ぎ澄まされた美意識によって構築された最高峰のアート写真だったからだ。
陰影のコントラスト、光の捉え方、構図の美しさ。篠山紀信が追求したヴィジュアルの完成度は、写真批評家や美術評論家からも極めて高い評価を受けた。少女特有の無垢さと、芸術作品としての気品が見事に調和した結果、性別や年齢を問わず幅広い層に受け入れられたのである。この一作によって、日本における表現の自由とグラフィックアートの可能性は大きく切り開かれた。