泊港漁市場に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが眩いばかりの赤身を放つ沖縄県産生マグロのサクとブロックです。沖縄近海はクロマグロ、キハダマグロ、メバチマグロ、ビンナガマグロの主要4種が季節ごとに回遊する国内有数の好漁場であり、水揚げされたマグロが一度も冷凍されることなくセリから数時間で店頭に並びます。解凍マグロでは決して味わえない、もっちりとした濃密な食感と澄んだ鉄分の旨味は、一口食べればその違いが歴然と分かります。
市場内の各店舗で競い合うように提供されている名物海鮮丼は、まさにこの生マグロを主軸に、プチプチとした食感が弾ける海ぶどう、濃厚なウニ、甘みのある赤エビ、近海魚のイラブチャー(ナンヨウブダイ)やタマン(ハマフエフキ)を贅沢に盛り付けた逸品です。1杯あたり1,200円〜2,200円前後という価格設定は、那覇市内の一般的な観光飲食店の相場と比較して30%〜40%ほど割安であり、仲卸直売ならではの圧倒的なコストパフォーマンスを誇ります。
さらに見逃せないのが、手軽に楽しめる店頭の食べ歩き・立ち食いグルメです。注文を受けてからバーナーで炙るホタテやウニソースをたっぷり乗せた伊勢海老の半身焼き、マグロの希少部位であるカマ焼きや脳天の刺身など、港町ならではの豪快なメニューがワンコインから楽しめます。店舗前の簡易ベンチや市場出入口のフリースペースを利用して、揚げたての魚天ぷらとともに頬張るスタイルが定番となっています。