編集部がITサポート窓口やSNSコミュニティに寄せられた実例を調査したところ、USB保存に関する深刻な認識のズレが浮き彫りになりました。
「子どもの成長記録をUSBメモリにまとめて引き出しに大切に保管していたら、3年後に全く読み込めなくなっていた」
「ネット通販で異常に安価な2TBの大容量USBを購入したところ、保存したファイルが次々と壊れて文字化けした」
こうした悲痛な声の背景には、フラッシュメモリの物理特性に対する誤解があります。USBメモリに採用されているNAND型フラッシュメモリは、微細な素子に電子を閉じ込めることでデータを保持しています。しかし、この電子は通電しないまま長期間放置すると自然放電によって徐々に消滅します。「物理的な箱に入れておけば半永久的に残る」という物質的感覚は、デジタル記憶媒体においては致命的な誤謬となります。
また、市場には内部コントローラーを不正に書き換えて見かけ上の容量を偽装した粗悪な並行輸入品や偽造品が出回っており、規定容量を超えた瞬間に過去データが上書き破壊される被害も後を絶ちません。購入時は信頼できる大手メーカー製(キオクシア、サンディスク、トランセンド等)を正規代理店から選ぶことが防衛策となります。