SNSや大手Q&Aサイトの住宅コミュニティを調査すると、壁の下地探しにまつわる失敗事例が後を絶ちません。最も多く見られるのが「壁裏探知機の反応を信じてビスを打ち込んだら、下地ではなくエアコンのドレン配管や配線ダクトだった」「間柱の端ギリギリにビスが刺さり、荷重をかけたら柱の角が欠けてビスごと抜け落ちた」という深刻な体験談です。
住宅検査機関の現場調査員は、次のように警鐘を鳴らします。「一般の方が思う以上に、壁の裏側は複雑です。間柱だけでなく、構造金物や筋交い(すじかい)、さらには換気ダクトが斜めに走っています。センサーは密度が高い物体すべてに反応するため、それが『間柱』なのか『金属管』なのかまでは識別できません」。
また、作業の過程で避けられないのが「壁の穴あき問題」です。針式探知機は極細針を使用しているため穴は目立たないとされていますが、探査に手こずって10箇所も20箇所も刺し直した結果、壁紙がまるで蜂の巣のようになり、賃貸物件の退去時トラブルや新築住宅での家族間トラブルに発展したという声も散見されます。
万が一針穴が目立ってしまった場合でも、適切な下地探しの針穴補修を行えば修復は極めて容易です。ホームセンターで入手できる建築用シーリング材「ジョイントコーク」や専用の壁紙補修パテを穴に少量押し込み、濡らした指先やスポンジで余分を拭き取るだけで、針穴は肉眼ではほぼ判別できないレベルに消失します。応急処置としては、白い壁紙であれば木工用ボンドにベビーパウダーを練り込んだものを楊枝の先で詰めるだけでも十分なカモフラージュ効果を発揮します。