路地裏に佇む木造2階建ての佇まい。かつては不便の代名詞だった間取りが、クリエイターの表現意欲を強烈に刺激している。すりガラスから射し込む柔らかい光、年月を経て深みを増した木柱の手触り、モルタル外壁が醸し出す無骨な質感。最新の工業化住宅では逆立ちしても出せない特有の「揺らぎ」が、若者世代に新感覚のラグジュアリーとして受け入れられている。
過剰に整備された都会の生活に息苦しさを覚える層にとって、不完璧さこそが最大の魅力だ。古い造作をあえて剥き出しにし、ヴィンテージ家具やモダンな照明を組み合わせる事例が相次いでいる。