パンジーを種から育てる場合、最も重要なファクターは「播種タイミングの温度管理」です。種袋に記載されている「パンジーの種まき時期」は一般に8月下旬〜10月とされていますが、8月下旬から9月上旬の猛暑期にそのまま常温で種をまくと、地温が25℃を超えて休眠状態に入り、著しい発芽不良を起こします。
近年の気候に即した現実的なスケジュールとしては、「9月中旬以降の気温低下を確認してからまく」か、あるいは「8月下旬に室内で保冷バッグや冷蔵庫の野菜室を活用してプレクーリング(低温湿潤処理)を行い、発根を確認してからセルトレイへ移す」という2つのアプローチが標準的です。
自家採取を検討している場合、パンジーの種の採取方法は非常に明快です。花が終わった後の子房が上を向き、緑色から茶褐色に変色して縦に裂け目が入りかけたタイミングで鞘ごと摘み取ります。完熟した鞘は乾燥すると勢いよく弾け飛ぶ性質を持つため、収穫後は小さな紙袋や封筒に入れて直射日光の当たらない涼しい場所で追熟・乾燥させます。
なお、庭の敷石の隙間や鉢底から自生する「パンジーのこぼれ種」を育てる場合は、本葉が3〜4枚展開した段階でスプーンなどを用いて根を切らないように土ごと掘り上げ、清潔なポットへ移植して液肥を与えながら管理すると順調に生育します。