歴代アートワークの中でも金字塔と呼ぶべき作品が、2010年リリースの『あとひとつ』と2009年の『ヒーロー』である。
『あとひとつ』のジャケットに登場したのは、当時東北楽天ゴールデンイーグルスで圧倒的な投球を続けていた田中将大投手だった。甲子園の記憶を背負い、プロの世界で孤独に戦う若きエースの引き締まった表情と一筋の汗。泥臭く夢を追う歌詞と田中投手のリアリティが奇跡的なシンクロを生み、高校野球の応援ソングとしても国民的アンセムへと昇華した。
一方、日本テレビの看板アナウンサーだった羽鳥慎一を起用した『ヒーロー』は、家族のために満員電車に揺られる世の父親たちへ捧げた応援歌だ。朝の生放送で見せる爽やかな笑顔とは打って変わり、カメラの前で感情を爆発させて号泣する羽鳥氏の姿は、多くの働く人々の涙腺を崩壊させた。作られたドラマではない、本物の感情がそこにあった。