なぜこの楽曲は、誕生から四半世紀近くが経過しようとする今もなお、これほど人々を惹きつけてやまないのか。その秘密は、ZUN氏による緻密な楽曲構造と圧倒的な世界観の構築にある。
モーリス・ラヴェルの古典的な気品を感じさせる題名を与えられつつも、展開される音楽はアグレッシブかつドラマチックだ。哀愁を帯びたマイナーキーのメロディから、サビで一気に開放されるエモーショナルな旋律。クラシック音楽が持つ構造美と、ゲーム音楽特有の疾走感・ゲームプレイ中の緊張感が奇跡的なバランスで同居している。レミリア・スカーレットというキャラクターが抱く「500年を生きた吸血鬼の威厳」と「幼き少女の無邪気さ」という二面性が、音の重なりによって見事に描写されているのだ。