称賛の声が溢れる一方で、ネット上には「矯正したら老けた」「頬がコケて後悔した」という不穏な言説も散見されます。こうしたトラブルの裏には、事前に知っておくべき明確な医学的・解剖学的メカニズムが存在します。
もっとも警戒すべきは、抜歯矯正に伴う軟組織のたるみと頬コケです。前歯を後退させすぎると、唇を支えていた骨組みのボリュームが減るため、皮膚が余ってほうれい線が深くなったように見えたり、口元が寂しくしぼんだ「おばあさん口」に見えてしまうケースがあります。また、治療期間中は固いものが噛みにくくなるため、アゴの筋肉(咬筋)が一時的に衰え、エラが削げ落ちた結果として頬がこけた印象を与えることも珍しくありません。
さらに、装着初期の鈍痛や食事制限、装置の違和感から精神的疲弊を招く「矯正うつ」に近い心理状態に陥る利用者も存在します。「100万円以上払ったのに、本当に綺麗になれるのか」という未来への不安が募り、一時的に過度なストレスを抱えてしまうのです。これらのリスクを回避するためには、「何ミリ下げるのか」「軟組織(唇や皮膚)の厚みに対して過度な後退になっていないか」を術前に3Dシミュレーションで徹底的に擦り合わせる姿勢が不可欠です。