1966年(昭和41年)5月に日本コロムビアからシングル盤としてリリースされた主題歌『銭形平次』。当時、御三家の一角として絶大な人気を誇っていた舟木一夫が吹き込みを担当しました。レコードの発売日以降、瞬く間に大ヒットを記録し、舟木の代表曲の一つとして定着することになります。
この名曲を生み出したのは、映画『ゴジラ』シリーズの脚本家としても知られる作詞家の関沢新一と、数々の演歌・歌謡曲の名作を手がけた作曲家の安藤実親です。当時の時代劇主題歌といえば、三味線や尺八を基調とした重々しい浪曲調や股旅演歌が主流でした。しかし、関沢と安藤が目指したのは、まったく新しい「疾走感と若々しさを備えたポップス調の時代劇ソング」でした。
関沢による「男だったら 一つにかける」「意地を通せば 辻風ばかり」という歌詞は、江戸の町人の粋(いき)と厳しさを描きながらも、当時の若者たちの生き方にも通じる普遍的なメッセージ性を宿していました。そこに安藤が施した、洋楽器のブラスセクションと和のリズムを融合させた軽快なメロディが重なり、従来の時代劇の枠組みを根底から覆す名曲が結実したのです。