ルビンの壺は性格診断になる?錯視の正体と見え方が変わる脳の仕組み

ルビンの壺は性格診断になる?錯視の正体と見え方が変わる脳の仕組み

ルビンの壺は性格診断になる?錯視の正体と見え方が変わる脳の仕組みの真相や最新動向に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。

この独創的な図形を考案したのは、デンマークの心理学者エドガー・ルビン(Edgar Rubin, 1886–1951)です。ルビンは1915年にコペンハーゲン大学へ提出した博士論文『視覚的図形(Synsoplevede Figurer)』の中で、原初的な図形として「ルビンの杯(Rubin's vase)」を発表しました。

当時、心理学の世界では視覚刺激を要素ごとに分解して分析する「要素主義」が主流でしたが、ルビンの研究はマックス・ヴェルトハイマーらが立ち上げたゲシュタルト心理学に決定的な理論的支柱を与えることになりました。ゲシュタルト心理学では「全体は部分の総和以上のものである」と考えますが、ルビンの壺はまさに「全く同じ物理的刺激であっても、脳の体制化によって知覚される意味が180度変わる」ことを鮮やかに証明したのです。

現在では心理学の領域を超え、文学やポップカルチャーのモチーフとしても定着しています。代表例として挙げられるのが、2017年に刊行された作家・宿野かほる氏によるサスペンス小説『ルビンの壺には割れない』(新潮社)です。SNSのメッセージのやり取りだけで進む物語の中で、登場人物たちの隠された二面性や認識のズレが劇的に反転していく構成は、「見え方によって真実が一変する」というルビンの壺のメタファーを見事に昇華させた作品として知られています。

佐藤 大輔
著者

佐藤 大輔

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