この楽曲の評価を決定づけたもう一つの決定打が、1967年公開の映画『卒業(The Graduate)』(主演:ダスティン・ホフマン)です。劇中歌としてオープニング、中盤、そして伝説的なエンディングシーンの全3回にわたって印象的に挿入されました。
結婚式場から花嫁のエレーンを奪い去り、偶然やってきた路線バスに乗り込んだ主人公ベンジャミン。歓喜の瞬間が過ぎ去った直後、2人の顔から次第に笑みが消え、将来への漠然とした不安と気まずさが漂う長回しのラストカットで、静かに『サウンド・オブ・サイレンス』が流れ始めます。既成の価値観から脱走した若者が直面する「自由という名の空虚」。映画と音楽がこれほど完璧にシンクロした事例は、ハリウッド映画史を見渡しても極めて稀です。