ネット上の掲示板や介護家族のコミュニティ、高齢者向けリノベーションの現場取材では、数字だけでは見えてこないリアルな葛藤と知見が語られています。
「バリアフリー住宅の評判を聞いてハウスメーカーに依頼したが、健常者基準の『手すり位置』に取り付けられてしまい、麻痺のある側の手では全く掴めなかった」(60代・脳梗塞後遺症の夫を持つ妻)
「手洗いをトイレ内に設けたものの、車椅子のフットレストが洗面下台のキャビネットに激突して手が届かなかった。車椅子対応洗面化粧台の高さと足元オープン設計の重要性を後から知った」(50代・在宅介護中)
このように、標準仕様のバリアフリーパッケージをそのまま導入したことで、本人の身体状態(片麻痺、体幹保持力、腕の可動域)に合致せず、再工事を余儀なくされるケースが後を絶ちません。理学療法士(PT)や作業療法士(OT)に施工前の現地調査へ立ち会ってもらい、ミリ単位で手すり位置や便座高さを合わせ込む作業が満足度を左右しています。