マリージョアの「パンゲア城」最深部に君臨する虚の玉座の主、イム様の正体と謎は、物語の黒幕像を決定づける最重要ピースです。サボの告発やコブラ王の遺言によって「最初の20人」の一人であるネロナ・イムの存在が浮上して以降、作中ではその能力の異質さが際立っています。
社会構造論における権力集中モデルに照らすと、世界政府の統治システムは「不可視化された絶対君主」と「神格化された官僚機構(五老星)」の二層構造で成立しています。イム様が保有する強大な支配力は、思想統制だけでなく、物理的な島ごと消滅させる古代兵器と空白の100年に直結する兵器の行使権に基づいています。
ルルシア王国を焼き尽くした光の正体は古代兵器ウラヌスであり、それを起動させるための恒久エネルギー「マザーフレイム」を欲する世界政府の動向は、現実の核抑止力や資源争奪戦の力学を鏡のように反映しています。歴史から抹消された巨大な王国の思想を消し去るために、海面上昇という環境破壊すら統治手段として利用してきた冷徹な支配機構の全貌が白日の下にさらされつつあります。