原作連載当時、第294話から第295話にかけて展開された「Mr.コンプレスの脱面シーン」は、X(旧Twitter)の日本のトレンド1位を独占する社会現象となりました。SNSやネット掲示板の生の声を集約すると、読者の衝撃は以下の2点に集約されていました。
第一に、「道化師のおじさん」という記号的認識からの脱却です。初期の仮面姿や大仰なトレンチコートから、読者の間では実年齢が40代半ばから50代前後のいぶし銀キャラクターと想定されていました。ところが露わになった素顔は、憂いを帯びた30代前後の彫りの深い正統派イケメン。この凄まじいギャップに対し、「顔面偏差値が高すぎる」「ヒロアカ屈指の色男だったのか」という絶賛の嵐が巻き起こりました。
第二に、仲間を逃がすために見せた「自己犠牲のショーマンシップ」です。超常解放戦線が壊滅の危機に瀕した窮地、ベストジーニストの強固な繊維拘束から脱するため、彼は自らの個性を自身に発動し、腰や太ももの肉を削り取って拘束をすり抜けるという凄惨な覚悟を見せました。「主役(死柄木)を舞台から逃がすのが、裏方の最後の大仕事」と笑ってみせたその退場劇は、ヴィランという枠組みを超えて読者の胸を強く打ちました。