食卓でのバリエーションも、従来の「塩焼き」「味噌煮」の二大巨頭から大きく枠を広げている。今のトレンドを牽引しているのは、異国情緒あふれるスパイスと日本の伝統的な発酵調味料を融合させたハイブリッドな皿だ。
例えば、凍ったサバに塩麹とレモン果汁を絡めてオーブンに放り込むだけの「塩麹レモンコンフィ風」。あるいは、チュニジア発祥の辛み調味料ハリッサと粗挽きクミンを表面に擦り付け、トマト缶と共に煮詰める「地中海風スパイシーサバトマト」。サバ特有の濃厚なイノシン酸は、唐辛子のカプサイシンや発酵ペーストのグルタミン酸と暴力的なまでに相性がいい。和食の枠を取り払った瞬間、冷凍サバはワインやクラフトビールのアテとしても極上のポテンシャルを発揮し始めている。