歓喜の頂点から突如として訪れた異変は、想像以上に深刻なものでした。2023年のシーズン中から右前腕の張りや腰の違和感による離脱を繰り返していた湯浅京己ですが、二軍での調整を続けても指先の感覚や背部の強い張りが抜けず、本来の投球フォームを維持できない状態が続いていました。
球団ドクターによる詳細な検査の結果、判明した診断名は「胸椎黄色靭帯骨化症(きょうついきいろじんたいこっかしょう)」でした。脊髄の後ろにある黄色靭帯が骨のように硬くなり、神経を圧迫して下半身のしびれや運動麻痺などを引き起こす国の指定難病です。プロ野球界では過去に巨人の越智大祐投手やソフトバンクの大隣憲司投手、中日の福敬登投手らがこの病と闘ったことで知られています。
当時の球団関係者や取材陣の記録によると、診断を受けた当初の湯浅は計り知れない衝撃を受けつつも、早期の完全復活を見据えて迅速に執刀を決断しました。2024年8月に福島県立医科大学附属病院にて黄色靭帯を切除する胸椎後方除圧術を受け、無事に成功。術後に寄せた公式コメントでは「もう一度甲子園の満員のスタンドの前で腕を振るために、必ず強い姿で戻ってくる」と力強い決意をファンに伝えています。