胸の前で両肘を密着させ、豊満なバストをこれ見よがしに強調しながら「だっちゅーの!」と言い放つインパクト抜群のアクション。このギャグが誕生した背景には、偶然の産物と巧みなセルフプロデュースが重なり合った緻密な計算がありました。多くの視聴者が「作家が台本に書いたセリフ」だと思い込んでいましたが、その発端は西本はるかさんの口癖にありました。
西本さんは東京都多摩エリア(町田市周辺)にルーツを持ち、日常会話の中で「〜だと言っているじゃない」というニュアンスを込めて「〜だっちゅうの」と頻繁に口にしていました。言語学的な見地からも、多摩地域から神奈川県北西部、山梨県の甲州弁、さらには東北地方の一部にかけて、念押しや反論の終助詞として「〜だっちゅ」「〜だっちゅうの」という方言表現が定着しています。本人が無意識に使っていたこの言葉遣いに、相方の浅田好未さんや当時の担当マネージャーが目をつけたことがすべての始まりでした。
当初はお笑いライブの幕間で発する単なるツッコミの一種でしたが、男性客の視線を一瞬で奪うために考案されたのが、胸を思い切り寄せる「だっちゅーのポーズ」です。当時のグラビア界ではタブー視されていた「性的なアピールを自ら笑いに昇華させる」という逆転の発想が組み合わさった結果、1990年代後半のテレビカルチャーを揺るがすキラーフレーズへと昇華しました。