神厩舎の三猿を鑑賞した後は、境内に点在する国宝や重要文化財を巡ることで、徳川家康公が遺したメッセージの解像度がより一層高まります。効率的かつ深く味わうための主要スポットを整理しました。
1. 陽明門(国宝):500以上の彫刻が織りなす「日暮の門」
神厩舎を過ぎて石段を上がると、東照宮の象徴である陽明門が姿を現します。故事や聖人、霊獣など500点を超える極彩色の彫刻が施され、いつまで見ていても飽きないことから「日暮の門(ひぐらしのもん)」とも呼ばれます。柱の1本だけグリ紋の向きが逆になっている「魔除けの逆柱」は、「完成した瞬間から崩壊が始まる」という思想から、あえて未完成のまま残した先人の知恵です。
2. 眠り猫(国宝):左甚五郎作と伝わる平和の象徴
奥宮へと続く東廻廊の潜り門に鎮座する「眠り猫」。名匠・左甚五郎の作と伝えられ、牡丹の花の下でうたた寝をする姿が愛らしく描写されています。特筆すべきは、眠り猫の真裏の欄間に「遊ぶスズメ」の彫刻が彫られている点です。猫が眠っているからこそ小鳥が安心して遊べる、すなわち「戦のない平和な世の到来」を暗喩する見事な空間構成となっています。
3. 限定授与品・三猿モチーフのお守り
神厩舎の向かいにある授与所では、三猿をモチーフにした人気のお守りが頒布されています。「災いを避け、良い縁と健康を招く」とされる三猿守りや、可愛らしい鈴守りは参拝記念の定番です。混雑する午前中(10:00〜14:00)を避け、開門直後の朝一番に訪れると、静謐な空気の中でじっくりと彫刻を鑑賞できます。