3人の囚人問題と切っても切れない関係にあるのが、世界的に有名な「モンティ・ホール問題」です。アメリカのテレビ番組に端を発するこの問題と、囚人問題は数学的に全く同じ構造(同型)を持っています。
両者の対応関係を整理すると、以下のようになります。
- 挑戦者が最初に選んだドア = 囚人A
- 番組司会者(モンティ) = 真実を知っている看守
- モンティが開けたハズレのドア = 看守が名指しした処刑囚B
- 残されたもう1つのドア = 囚人C
モンティ・ホール問題では、「ドアを変えますか?」と聞かれた挑戦者がドアを変更することで、正解確率が1/3から2/3へとアップします。これは、囚人Aが囚人Cと立場を交換できれば生存確率が2/3になることと完全に一致しています。
では、3人の囚人問題とモンティ・ホール問題の違いはどこにあるのでしょうか。
決定的な違いは、「選択の能動性」と「心理的アプローチ」です。モンティ・ホール問題は「ドアを選び直すかどうか」という意思決定のゲームとして設計されています。一方、3人の囚人問題は「自分以外の第三者の情報を得たときに、自分と他人の確率がどう変化したか」という情報と信念の更新に焦点が当てられています。
囚人Aは自分の運命を他人に譲る(Cと入れ替わる)ことが制度上できないため、「自分は1/2になったと勘違いして安心し、実際にはCの生存率だけが跳ね上がっている」という悲喜劇のパラドックスとして描かれます。