大鵬の偉業を語る上で絶対に外せない存在が、終生のライバルであった第47代横綱・柏戸剛だ。土俵の上では容赦なく火花を散らしながらも、土俵を下りれば互いを深く尊敬し合った二人。彼らが創り出した柏鵬時代は、まさに大相撲の黄金期であり、昭和のお茶の間を最高潮に沸かせた。
豪快かつ鋭い出足で相手を圧倒する剛の柏戸に対し、どんな体勢からでも柔軟に打ち負かす柔の大鵬。対照的な二人の激闘は、単なるアスリート同士の勝負を超え、昭和という時代のエネルギーそのものを体現していた。ライバルの存在があったからこそ、互いに限界を超えた高みへと昇りつめることができたのだ。