「汨羅(べきら)の淵に波さわぎ 巫山(ふざん)の雲は乱れ飛ぶ」。詩情あふれる漢詩の文脈を引いた冒頭のフレーズには、中国屈原の故事や戦国時代の乱世が投影されている。絶望的な腐敗政治と貧困にあえぐ農村の惨状を打破すべく、歌の裏に隠されていたのは、「君側(くんそく)の奸(かん)を撃つ」という過激な尊皇討奸の情熱に他ならない。
一見すると風流な自然詠歌に見える詩節の随所に、腐敗した政財界への激しい糾弾と、国家の真の覚醒を促す言葉が張り巡らされている。この歌が秘めた二重性—芸術的な洗練と凶暴な政治的テロリズムの融合—こそが、当時の青年の心を激しく揺さぶり、自暴自棄とも言える決起へ駆り立てた真の原動力であった。