福島原発事故の死因と死者数|被曝と震災関連死の境界線に迫る

福島原発事故の死因と死者数|被曝と震災関連死の境界線に迫る

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事故直後の急性被曝死が存在しなかった一方で、事故現場での収束・廃炉作業に従事した作業員の健康被害は厳然たる事実として残る。厚生労働省はこれまで、事故現場で一定線量以上の被曝をした後に白血病や肺がん、甲状腺がんを発症した複数の元作業員に対して、放射線被曝を原因とする労働災害(労災)を認定してきた。

東京電力ホールディングスが公表する作業員被曝管理データによれば、事故初期の極めて過酷な環境下で現場に留まり続けた作業員の中には、生涯線量限度を超える被曝を記録した者もいた。2018年には、現場で放射線管理業務に携わり肺がんで死亡した50代の元作業員に対し、被曝との因果関係を認める労災認定が下りている。法的な因果関係が認められた事例が存在する以上、「被曝による死者が完全に皆無」と断定する言説は正確さを欠く。

佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。