指定確認検査機関のベテラン検査員や建築審査会の現場ヒアリングにおいて、毎年のように報告されるのが「開口部有効寸法の測定誤認」です。図面審査を通過しても、完了検査の実測で不適合が発覚する事例は後を絶ちません。
関係各機関の指摘データによると、スパンドレル寸法に関連する不適合の約6割が「サッシ開口の測り間違い」に起因しています。多くの設計者が躯体開口(コンクリート開口)で900mmを確保していたものの、サッシ枠の見込みや額縁、水切り金物の取り付きによって、実質的な開口部間クリアランスが880mm程度に狭まり、是正指示を受けるというパターンです。
日本建築行政会議(JCBA)が発行する『建築物の防火避難規定の解説』においても、開口部間の離隔距離は「開口部の見え掛かり寸法(枠の内法やガラスの露出面ではなく、火炎が噴出し得るサッシ外枠の内側開口端)」を基準として厳密に評価することが明確化されています。可動サッシの場合、網戸レールや召し合わせ部の納まりによっても開口線が変化するため、ディテール図面上で最低950mm〜1000mm程度の施工公差を見込んだ設計余裕を持たせることが実務上の鉄則です。