球界最高峰の圧力を日常的に背負う巨人の監督・阿部慎之助。その家庭で育った長女が選んだ道は、一瞬のミスも許されない過酷なフィギュアスケートの世界だった。幼少期からスケート靴を履き、氷上でのステップとジャンプの技術をひたむきに磨き続けてきた彼女は、数多くのローカル大会やブロック大会で着実に実績を重ねている。
「二世アスリート」という肩書は、時に大きな重圧となって重くのしかかる。しかし彼女の滑りからは、そうした外野の喧騒をいなすような力強さと凛とした品格が感じられる。リンクに立った瞬間に見せる研ぎ澄まされた集中力は、かつて東京ドームの大歓声の中でホームランを叩き込んできた父親の立ち姿を彷彿とさせるものがある。