カルチャーの底流を語るうえで、マンガ家・タナカカツキの功績を外すことはできない。彼の筆によるエッセイコミック、そして実写化されたドラマ『サ道』は、サウナ愛好家たちの内面世界をユーモラスかつ情緒豊かに描き出した。現在もU-NEXTなどの配信プラットフォームで繰り返し視聴され、新たなファンを日々生み出し続けている。
ドラマが提示した「サウナ→水風呂→外気浴」という黄金律と「ととのう」という言語化は、それまで言語化されてこなかった快感を万人の共通認識へと昇華させた。これによって若年層や女性層の参入が一気に加速したのだ。
急激なブーム拡大の一方で、業界の健全な育成を支えるのが公益社団法人日本サウナ・スパ協会だ。温浴業界における衛生管理の厳格化やサウナ・スパ健康アドバイザーの育成、さらには安全な利用マナーの啓発活動など、インフラとしての信頼性を担保し続けている。ブームが文化へと根付いたのは、こうした組織の地道なレギュレーション整備があってこそだ。