Q1:健康な人間の体表にハエが止まっただけでも、ウジ虫が湧くことはありますか?
A1:健康な人間であれば心配ありません。健全な皮膚は角質層という強力な物理的バリアに守られており、ハエが卵を産み付けたとしても皮膚内に侵入することは不可能です。また、健康であればハエが止まった瞬間に払い落とす防衛反射が働くため、産卵に至る隙を与えません。問題となるのは、深い傷口の露出、重度のやけど、あるいは意識混濁や麻痺によって自力で虫を払えない状態に限定されます。
Q2:誤ってハエの卵やウジ虫を飲み込んでしまった場合、胃の中で繁殖しますか?
A2:極めて稀なケースを除き、胃の中で繁殖することはありません。人間の胃液は強力な強酸性(pH1〜2)の塩酸を含んでおり、通常のハエの卵や幼虫は胃の中で消化・死滅します。ただし、極めて大量の幼虫を誤食した場合や、胃酸分泌が著しく低下している患者の場合、幼虫が一時的に消化管を刺激して激しい腹痛、嘔吐、下痢を引き起こす「消化管蝿蛆症」を発症することがあります。異常を感じた場合は直ちに消化器内科を受診してください。
Q3:介護中の家族の褥瘡(床ずれ)にウジ虫を見つけました。救急車を呼んでもよいですか?
A3:ためらわずに救急相談(#7119)または救急要請(119番)を検討してください。皮膚表面に数匹見えている段階で、組織深部にはすでに数十匹以上が侵入し、広範囲の組織壊死や血流障害を起こしている可能性が極めて高いためです。特に高熱が出ている、呼びかけに対する反応が鈍い、患部から悪臭が漂っている場合は、敗血症を発症している危険性があるため一刻を争います。発見時は殺虫剤を吹きかけるなどの自己処置を避け、保護ガーゼを当てて速やかに救急搬送を依頼してください。