防衛医大の過酷さは、数字にもはっきりと表れている。毎年の入学者約110名のうち、ストレートで卒業できるのは8割程度。学年が上がるにつれて同期の姿が一人、また一人と消えていく。過酷な訓練による怪我や病気だけでなく、精神的な限界を迎えて自ら去っていく者も多い。
近年では、元学生たちがYouTube上で自らの体験談を語る動画や、過酷な寮生活に迫ったドキュメンタリー、赤裸々なノンフィクション本がネット上で大きな反響を呼んでいる。「毎日が理不尽との戦いだった」「外出制限で外界から隔絶され、息が詰まりそうだった」といった生々しい告白は、受験を夢見る高校生たちに冷や水を浴びせる。
もちろん、規律正しい生活を通じて強固な連帯感や忍耐力を培う学生も多い。しかし、閉鎖空間でのプレッシャーに耐えきれなくなった若者が「脱走」を図り、そのまま退学に至る事例が今なお語り草となっていることもまた、紛れもない事実である。