映像作品において、この苛烈な懲罰が持つ視覚的インパクトは極めて強い。監督メル・ギブソンが手掛けた映画『パッション』は、その最たる例と言える。古代ローマ総督ポンティオ・ピラトの命によって執行された惨劇が、血しぶきと引き裂かれる皮膚の質感とともに極限のリアルさで描かれた。
劇中で使用された「フラグラム」と呼ばれる金属片や骨を取り付けた鞭は、人間の肉体を容赦なく破壊する。観客に強烈な心理的ショックを与えたあの場面は、単なる宗教的悲劇の再現にとどまらない。物理的暴力が及ぼす恐怖をスクリーン越しに叩きつける映像美学の到達点でもあった。