心の姉であり、事件によって過酷な運命に翻弄される田村鈴を演じた白鳥玉季。彼女が劇中で見せた健気な姿と、崩壊していく家族の中で流した涙は、多くの視聴者の胸を締め付けた。子役という枠組みを軽々と飛び越え、登場人物の感情の機微を余すところなく拾い上げる表現力は当時から突出していた。
近年の白鳥玉季の躍進は目覚ましい。映画やドラマへのオファーが絶えず、名だたる映画監督や実力派クリエイターたちから「撮りたい女優」として名前が挙がり続けている。思春期の揺らぎや言葉にならない葛藤を、表情一つ、沈黙の長さ一つで雄弁に語る佇まいは唯一無二だ。
『テセウスの船』の現場で培われた感情の爆発力と繊細なコントロール。いまや彼女は日本映像界の未来を担う表現者として、主役から難役まで堂々と演じ切る頼もしい存在へと成長を遂げた。