物語は、父親が遺した1億円の借金に苦しむ椿に対し、桜が「私と結婚すれば全額肩代わりする」と持ちかけるところから始まります。ただし契約には厳格な条件がありました。それは「桜以外の女性を愛さないこと」「決して浮気をしないこと」。もし違反すれば、即座に全額を一括返済しなければなりません。
背に腹は代えられない椿は契約書にサインしますが、恋人の杏への未練を断ち切ることはできませんでした。二人は監視の目を盗んで密会を重ねますが、新居の寝室や家具の至る所には桜の手先である土筆によって無数の隠しカメラや盗聴器が仕掛けられていました。
やがて桜の狂気はエスカレートし、椿と杏を精神的に追い詰めていきます。監視映像をプロジェクターで大画面に投影して糾弾する、密会現場に先回りして突如現れるなど、執念深い包囲網が二人を窒息寸前に追い込みます。しかし、物語中盤から力関係は劇的な転換を見せます。追い詰められた杏が「椿さんを絶対に奪い返す」と決意し、桜に負けず劣らずの狂気と策略を駆使して反撃に転じるのです。
後半のクライマックスでは、桜がなぜそこまで頑なに「純粋な愛」に執着し、椿を支配しようとしたのかという過去の壮絶な裏設定が明かされます。桜のトラウマ、かつて愛した男との死別、そして自らの命に残されたタイムリミット――。単なるサイコホラーに留まらず、愛に飢えた孤独な魂の叫びが露わになり、物語は誰も予想できなかった衝撃の結末へと着地します。