浄土真宗の仏壇を整える際、避けて通れないのが「本願寺派(お西)」と「真宗大谷派(お東)」の流派による違いです。両派は本山寺院の建築様式を忠実にミニチュア化した仏壇構造を採用しているため、仏具の形状、色彩、配置ルールに至るまで驚くほど明確な差異が定められています。
本願寺派の金仏壇は、西本願寺の「阿弥陀堂」を模しており、柱や長押(なげし)が黒漆塗りで、宮殿(くうでん)は一重破風の屋根を持ちます。仏具は漆焼き付けの黒光色(こっこうしょく)や青磁(せいじ)の陶器など、落ち着きのある上品な質感が基本です。一方、大谷派の金仏壇は東本願寺の阿弥陀堂を再現しており、全体に金箔が多用され、宮殿は二重破風の重厚な屋根造りとなっています。仏具は金唐草(きんからくさ)や透かし彫りが施された真鍮磨き、あるいは宣徳色(せんとくしょく)と呼ばれる渋みのある金属色が好まれます。
仏壇店やネット通販で仏具セットを購入する場合、単に「浄土真宗用」と書かれているだけのセットには注意が必要です。東本願寺派用の鶴亀燭台が西本願寺派の家庭に納品されてしまい、開眼法要の当日に住職から交換を求められた事例も報告されています。必ず「本願寺派(西)」なのか「大谷派(東)」なのかを明確に指定して選ぶ必要があります。