後悔の声が存在する一方で、激戦の住宅業界において同社が驚異的な成長を遂げた背景には、明確な商品力とマーケティング戦略があります。その最大の武器が、アイ工務店が得意とするスキップフロアや半地下、小屋裏を活用した多層階設計です。
建築基準法において、天井高が1.4メートル以下の空間は一定の条件下で延床面積に算入されません。アイ工務店はこの規定を最大限に活かし、1階と2階の間に中二階を設けたり、床下収納や小屋裏収納を立体的に配置する設計ノウハウを標準化しました。これにより、敷地面積が狭小な都市部や容積率・建蔽率の厳しい土地であっても、実質的な有効活用面積を大幅に増やすことが可能になります。
子育て世帯にとって、ベビーカーやキャンプ用品をしまえる「蔵」のような大容量収納や、リビングから視線が届く中二階のスタディスペースは極めて魅力的です。大手ハウスメーカーで同様の特殊なスキップフロアを設計しようとすると、特注扱いとなり大幅なコストアップを要求されます。同社はこれを木造軸組工法のモジュール化によって、合理的な価格帯で実現するパッケージとして確立させました。