かつて社会問題となった「漫画村」の首謀者摘発後、その後継として台頭したのが「漫画バンク」でした。しかし、この巨大海賊版サイトも2021年末に突如閉鎖へと追い込まれ、集英社をはじめとする出版大手4社による米裁判所への情報開示請求を通じ、運営者の身元特定と刑事告訴・損害賠償請求が進められました。
その後も名前やドメインを巧妙に変えながら「漫画raw」などのクローンサイトが蠢動していますが、その寿命は年々短命化しています。CODAが公表した最新の追跡レポートによると、海外サーバーを転々とする運営グループに対し、国際的な令状執行とCDN(コンテンツ配信ネットワーク)事業者の契約解除が迅速化しており、サイト開設から平均数ヶ月以内にドメイン凍結・閉鎖へと追い込まれるケースが主流となっています。
ネット上の掲示板やSNSでは、そうした海賊版サイトを利用してしまったユーザーの生々しい告白が散見されます。
「鬼滅の刃の最終決戦が気になりすぎてrawサイトを開いたら、次の日からカレンダーに見知らぬスパム通知がびっしり登録され、消せなくなった」(10代・高校生の手記)
「海外の違法ビューアを開いた直後、クレジットカードの不正利用アラートが届いた。登録した覚えもないのにブラウザの自動入力情報を抜かれたらしい」(20代・会社員)
こうした実被害は氷山の一角に過ぎません。犯罪組織は海賊版コミックという強力な「エサ」を撒き、それに食いついたユーザーのデジタル資産を根こそぎ奪い去る構造を確立しているのです。