フィリピン料理の真骨頂は、スペイン、中国、アメリカの食文化が融合して生まれた「酸味・甘み・塩気」の絶妙なバランスにあります。唐辛子の辛さが前面に出るタイ料理やベトナム料理とは異なり、日本人の口に驚くほど馴染みやすいのが大きな特徴です。
まず押さえるべきは、国民食である「フィリピン家庭料理 アドボ」です。豚肉や鶏肉を醤油、酢、ニンニク、ブラックペッパー、ローリエで柔らかく煮込んだ料理で、酢の効果で脂っこさが抜け、白米が止まらなくなる深いコクがあります。そしてもう一つの柱が、タマリンドの果汁で酸味を効かせたスープ「シニガン」。エビや豚肉、空心菜、大根などがたっぷり入り、疲れた胃袋に染み渡る爽快な酸っぱさが特徴です。
さらに、鉄板でジュージューと音を立てて運ばれてくる豚耳や豚トロの細切れ炒め「シシグ」、ピーナッツソースで牛肉と野菜を煮込む伝統料理「カレカレ」、お祝い事に欠かせない豚の丸焼き・ローストポーク「レチョン」など、一度食べたら病みつきになる肉料理が揃っています。食後には、紫芋アイス(ウベ)やゼリー、豆類、練乳を豪快にかき混ぜて食べるフィリピン発祥のデザート「ハロハロ」を注文するのが王道のルートです。