『富士の山』の歌詞は、無駄を極限まで削ぎ落とした簡潔な言葉でありながら、富士山の圧倒的なスケール感を鮮やかに描き出しています。まずはその全容と、言葉の奥にある真意を紐解いていきましょう。
【1番】
あたまを雲の上に出し
四方の山を見おろして
かみなり様を下にきく
富士は日本一の山
【2番】
青空たかくそびえたち
からだに雪のきもの着て
かすみのすそを遠くひく
富士は日本一の山
この歌詞を現代語訳すると、その雄大さがより鮮明になります。1番では「雲海の上にその頂を突き出し、周囲の山々をはるか眼下に見下ろし、雷鳴さえも下から響くのを聞いている」という、垂直方向の圧倒的な高さと超越性が描かれます。地上が悪天候であっても、富士の頂は常に雲の上にあるという神聖な視点です。
続く富士の山 2番 歌詞では、「澄み渡る青空高くそびえ立ち、山肌には雪という純白の衣をまとい、春霞のたなびく広大な裾野をどこまでも遠く広げている」という、水平方向の広がりと優美な色彩美を表現しています。上下の高さと左右の広がり、力強さと優美さを対比させる見事な構成です。