なぜゴルフでは、規定打数より良いスコアに対して鳥の名称を用いるのでしょうか。その真相をたどると、20世紀初頭のアメリカに確固たる歴史的事実が存在します。
米国ゴルフ協会(USGA)の公式記録によると、舞台は1903年、アメリカ・ニュージャージー州のアトランティックシティ・カントリークラブ。当時、アブナー・スミスというゴルファーがパー4の第2打を放ったところ、ボールは見事な弧を描いてピンそば数十センチにピタリと止まりました。
その完璧なショットを目撃した同伴競技者が、当時のアメリカのスラングで「素晴らしい」「見事な」を意味する言葉を使い、「That was a bird of a shot!(今のは鳥のように見事なショットだ!)」と歓声を上げたのです。19世紀末から20世紀初頭のアメリカ英語において、「bird」は現代でいう「cool」や「awesome」と同じニュアンスで使われていました。
そのパットを沈めて1打少なくホールアウトした際、彼らはこのスコアを「bird」の愛称形である「birdie(小鳥)」と呼ぶことを取り決めました。これがクラブハウスの仲間たちを通じて瞬く間に広がり、やがて全米、そして世界中のゴルフルールへと定着していったのです。
「小鳥が美しく飛翔する姿」と「会心の弾道」が当時の流行語と見事に重なり合ったことこそが、今日私たちがコースで口にするバーディーの真のルーツです。