観光客が「海鮮バイキング難陀」の暖簾をくぐる際、最大の関心事となるのが「支払った金額以上の価値を回収できるのか」という損益分岐点の計算です。2026年の水産市場において、ロシア産やアラスカ産のタラバガニ(ボイル脚)は1kgあたり12,000円〜16,000円前後、ズワイガニ(ボイル脚)でも1kgあたり7,000円〜10,000円前後で取引される高級品となっています。
難陀のディナー基本プラン(100分コース・大人1名約11,000円〜13,000円台推移)を基準に置いた場合、仮に市場でタラバガニの太い脚を2肩、ズワイガニを2〜3肩購入して自宅で食べた場合の仕入れ換算額と比較すると、カニだけで優に1万円以上の市場価値に達します。さらにここにホタテの貝焼き、大エビ、生牡蠣、牛焼肉、寿司、メロンなどのデザート類を組み合わせれば、純粋な仕入れ換算ベースで「元を取る」ハードルは決して高くありません。
ただし、現場取材から浮き彫りになるのは「胃袋の容量」ではなく「時間と作業効率の壁」です。難陀のカニは冷凍ボイル状態でビュッフェ台に並んでいるため、網に乗せて芯まで温まるまでに一定の時間を要します。さらに熱々の殻をハサミで剥く作業には想像以上の集中力と分単位の手間がかかります。「元を取ろう」と意気込んでカニばかりを山積みにした結果、殻剥きに追われて制限時間の半分を消費してしまい、心理的な疲労感が残ったという体験談も少なくありません。金銭的な採算ラインはクリアできても、食事としての充足感を得るには「カニ以外の高級海産物(大粒ホタテや生エビ)をバランスよく挟むこと」が最大の近道です。