ネット上で「アスペルガー診断テスト50問」として急速に拡散されたツールの正式名称は、AQ(Autism-Spectrum Quotient:自閉症スペクトラム指数)です。英国ケンブリッジ大学自閉症研究センターの所長であるサイモン・バロン=コーエン教授らの研究チームが2001年に発表し、千葉大学の若林明雄教授らによってAQテスト日本語版が標準化されました。
この検査は、「社会性」「注意の切り替え」「細部へのこだわり」「コミュニケーション」「想像力」の5つの領域に分類された合計50の質問項目に対し、「そうである」「どちらかといえばそうである」「どちらかといえばそうではない」「そうではない」の4件法で回答する形式をとっています。配点はASD(自閉スペクトラム症)傾向に該当する回答に対して1点が加算され、0点から50点満点で算出されます。
テストの構造上、点数が高ければ高いほど自閉スペクトラム的な認知特性が強いと推測されます。しかし、ここで絶対に誤解してはならないのは、このテストが「病気か健常か」の白黒をつけるものではなく、個人の認知スタイルのグラデーション(スペクトラム)を可視化する指標に過ぎないという事実です。