超高齢社会のピークへと向かう日本で、救急車の出動件数は毎年過去最多を更新し続けている。現場の医師や救急隊員は疲弊しきっており、システム全体の制度疲労は隠しようがない。特に地方都市における救急医療体制の脆弱化は深刻だ。
こうした状況下で、ただベッド数を増やしたり、医師の労働時間を延長したりするだけの従来型の対策はすでに限界を迎えている。現場に必要なのは、限られた医療資源を最適に配分するための「知的なインフラ」である。この課題に対して、実践的なアプローチで風穴を開けようとしているのが、救急医学の第一人者たちだ。