今年、彼がメガホンを取る最新のインディペンデント映画が、海外の主要映画祭に出品されることが決定した。生々しい人間模様を描き出すその作風は、彼自身がこれまで培ってきた泥臭い演技論の延長線上にある。現場での彼は、誰よりも早く入り、誰よりも遅く残る。スタッフと同じ目線で泥にまみれ、汗を流す姿に、周囲のクリエイターたちも畏敬の念を隠さない。
「綺麗にまとまった作品なんて面白くない」と彼は語る。予定調和を嫌い、その場で生まれる生の感情をフィルムに焼き付けることに執念を燃やす。その妥協なき姿勢が、日本の映画制作の現場に心地よい緊張感をもたらしている。