2026年の金沢を語る上で、能登との繋がりは切り離せない。震災によって大打撃を受けた能登半島の生産者を支援するため、金沢市内のレストランが立ち上がった。単なるチャリティではない。能登の豊かな食材——七尾湾の牡蠣や能登牛、伝統的な発酵調味料——を、金沢の洗練された技術でアートの域にまで高める試みだ。
「能登の食材を使うことは、私たちの義務であり、最大の強みでもある」。金沢市片町でコンテンポラリー・フレンチを営むあるシェフは語る。被災したワイナリーや酒蔵とのコラボレーションディナーは、今や予約開始から数分で完売するほどの人気を博している。災害を契機に生まれた連帯が、結果として北陸独自のテロワールをより深く掘り下げる結果となった。