「いびきは肥満体型の中年男性特有の症状」という言説は、現代の睡眠医学において完全に否定されています。近年、特に注目されているのが鼻いびき女性原因の構造的背景です。
女性ホルモンの一つであるプロゲステロンには上気道開大筋の活動を促す作用があり、エストロゲンは粘膜の水分量や弾力性を保つ役割を果たしています。しかし、40代後半から50代にかけての更年期を迎えると、これらのホルモン分泌が急激に減少します。その結果、鼻腔粘膜が乾燥して微細な炎症を起こしやすくなり、代償性の浮腫(むくみ)が発生して気道を狭める事態に直結します。
さらに、女性は男性に比べて顎の骨格が小柄で鼻腔自体の断面積が狭い傾向にあります。わずかな粘膜の腫れや軽微な鼻中隔の傾きであっても気流抵抗が跳ね上がり、高音の鼻いびきや呼吸不全を招きやすい身体構造を持っています。「体型が変わっていないのに急にいびきを指摘されるようになった」という女性の場合、加齢に伴う粘膜代謝の変化と鼻腔構造の相互作用が主因であるケースが目立ちます。