多くのファンに惜しまれながら営業終了を迎えた背景には、単一の理由ではなく複数の構造的要因が絡み合っています。関係各所の開示資料や当時のレジャー業界動向から分析すると、主に3つの決定打が存在していました。
第一に挙げられるのが、建物賃貸借契約の期間満了です。ラウンドワンなどの大型アミューズメント施設は、土地・建物の所有者と15年から20年程度の長期定期建物賃貸借契約を結ぶケースが一般的です。府中本町駅前店も契約更新の節目を迎え、施設側とオーナー側双方における将来採算性の見直しが行われました。
第二の理由は、建物の耐震・設備維持コストと老朽化問題です。1990年代から2000年代にかけて建設された多層階型のアミューズメントビルは、空調設備やエレベーター、ボウリングレーンの機械設備の大規模改修時期が重なります。これらを全面的に刷新するには莫大な設備投資が必要であり、投下資本に対する回収期間が慎重に試算されました。
第三に、ラウンドワン全社におけるポートフォリオの再編です。同社は近年、郊外型の超大型複合店舗「スポッチャ」併設型店舗や、海外(特に米国)事業へのリソース集中を進めています。駅前立地でありながら敷地面積に制約があった府中本町駅前店は、次世代型フォーマットへの拡張が物理的に難しく、経営資源の最適配分という観点から契約満了に伴う撤退が選択されました。