二次元の傑作を実写化する際、最もキャスティングのハードルが高かったキャラクターのひとりが楊端和でした。「冷徹な死王」「絶世の美女」「凄まじい剣技」という三位一体の要素を具現化できる俳優が存在するのか――公開前のファンの懸念を完璧に打ち砕いたのが、女優の長澤まさみ氏でした。
映画『キングダム』第1作の公開時、長澤氏が見せた二刀流のアクションシーンは観客に鮮烈な衝撃を与えました。劇場アンケートやSNS上では「仮面を脱いだ瞬間の美しさに息を呑んだ」「アクションの身のこなしと眼光の鋭さが本物の山の王そのもの」といった絶賛の声が溢れ返り、第43回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞、第62回ブルーリボン賞助演女優賞などを総なめにする快挙を達成しました。
当時の制作発表や公式インタビューにおいて、アクション監督の下村勇二氏は「長澤さんは手足が長く、立ち回りが非常にダイナミック。並大抵の筋力ではこなせない二刀流の太刀筋を、徹底したトレーニングによって完全に自分のものにしていた」と述懐しています。泥臭さと神聖さが共存する演技は、原作ファンのみならず映画ファンをも強く唸らせ、実写シリーズ屈指のハマり役として語り継がれています。