退職書類の作成にあたり、求職者が最も迷うのが「手書きかパソコンか」「封筒はどう用意すべきか」という形式面のルールです。実務上のスタンダードを詳細に整理します。
手書きとパソコン作成のどちらを選ぶべきか
以前は「誠意を示すために手書きが絶対の常識」とされていましたが、デジタル化が進展した現在、パソコン作成(WordやGoogleドキュメント等で作成・印刷)でも法的な効力に何ら違いはありません。社内規定で所定のフォーマットが用意されている場合は、そちらの利用が最優先です。自由書式の場合、伝統的な慣行を重んじる企業では白無地の便箋を用いた手書き(黒のボールペンまたは万年筆)が無難とされますが、IT企業や外資系企業を中心にPC印刷+自筆署名押印のスタイルが完全に定着しています。
退職願・退職届の書き方見本と退職理由の例文
退職理由の書き方には厳格な作法があります。自己都合退職の場合、詳細な転職理由や不満を記載する必要はなく、「一身上の都合」と記載するのが鉄則です。一方、会社都合退職の場合は、文面に明記しなければ後日トラブルになります。
【退職願の文面見本(縦書き・自己都合退職の場合)】
私事(※行の最下部に配置)
このたび、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。
令和〇年〇月〇日(※提出日)
〇〇部〇〇課 氏名(印)
〇〇株式会社 代表取締役 〇〇〇〇殿(※役職・氏名は自分の氏名より上段に書く)
【退職届の文面見本(会社都合退職の場合の退職理由例文)】
私事
このたび、貴社における早期退職優遇制度の適用に伴い(または「貴社からの退職勧奨に応じ」)、令和〇年〇月〇日をもって退職いたします。
令和〇年〇月〇日
〇〇部〇〇課 氏名(印)
〇〇株式会社 代表取締役 〇〇〇〇殿
封筒の選び方・書き方と入れ方のマナー
書類を入れる封筒には明確なビジネスマナーが存在します。郵便番号枠のない「白無地の二重封筒(中身が透けない構造のもの)」を使用するのが基本です。用紙サイズがB5なら「長形4号」、A4なら「長形3号」を選びます。茶封筒(クラフト封筒)は事務用・請求書用とみなされるため、退職関係の私文書には適しません。
封筒の表面:中央やや上に「退職願」または「退職届」と毛筆ペンまたは黒のサインペンで丁寧に記載します。
封筒の裏面:左下に自分の所属部署名とフルネームを記載します。
入れ方:書類の表面が内側になるように下から3分の1を折り上げ、次に上から3分の1を被せる「三つ折り」にします。封筒の裏側から見て、三つ折りにした用紙の右上端が封筒の右上に来る向きで収めます。手渡しする場合は糊付け不要ですが、郵送時は糊付けして「〆」印を中央に記します。