大戸屋上大岡店が営業していたのは、京急上大岡駅西口のペデストリアンデッキで直結する複合商業施設「カミオ(camio)」の2階飲食フロアでした。駅至近の好立地に位置しながら、なぜ同店は暖簾を下ろす決断を下したのでしょうか。関係者の動向や商業施設のテナント推移を精査すると、大戸屋上大岡店の閉店理由には複合的な要因が見えてきます。
最大の要因は、定期借家契約の満了に伴う更新判断と、商業施設全体のテナント戦略の変更です。上大岡カミオ飲食フロアは、2000年代初頭の開業から一定周期でフロア構成の見直しを行ってきました。客単価1,000円前後の日常食チェーンにとって、駅前プライムロケーションの高水準な賃料負担と、店内調理にこだわる大戸屋特有の人件費・光熱費の高騰は、採算ラインを著しく圧迫する構造にありました。
さらに、運営母体の経営体制刷新に伴う不採算店舗の統廃合戦略が重なったことも撤退を決定づけました。同店が退去した大戸屋上大岡店の跡地情報を追跡すると、フロア内の区画再編を経て、現在は回転寿司チェーンや別形態の飲食店、サービス系テナントなどが展開しており、かつて定食が提供されていた空間の風景は様変わりを遂げています。