しんにょうの漢字一覧と点の謎!1点と2点の違いと歴史的真相

しんにょうの漢字一覧と点の謎!1点と2点の違いと歴史的真相

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多くの日本人が抱く最大の疑問は、「1点しんにょうと2点しんにょうの違い」が一体なぜ生じ、「しんにょうの漢字なぜ変わったのか理由」は何だったのかという点に尽きる。この謎を解く鍵は、歴史の針を清朝末期の中国、そして戦後の日本へと巻き戻すことで見えてくる。

元来、漢字の規範とされてきた1716年完成の中国『康熙字典(こうきじてん)』において、しんにょうの楷書は点が2つある「2点しんにょう」で編纂されていた。しかし、筆や墨を使って手書きする歴史の中では、早く美しく書くために筆線を省略する草書や行書が発達し、空海や王羲之をはじめとする歴代の能書家たちも、日常の筆記では圧倒的に「1点しんにょう」を好んで書いていた歴史がある。

決定的な転換期となったのは、1946年の「当用漢字表」および1949年の「当用漢字字体表」の公布だ。戦後の日本政府は、国民の識字率向上と教育の効率化を図るため、複雑な旧字体を廃止して新字体を制定した。この際、「手書きの習慣に近いわかりやすい形」として、当用漢字(のちの常用漢字)に含まれるしんにょうをすべて「1点しんにょう」へ統一したのである。

しかし、ここに巨大な落とし穴が生まれた。政府が定めたのはあくまで日常で使用する範囲の漢字(当用漢字)のみであり、人名や地名に多く使われる「辻」「逢」「謎」「樋」といった常用漢字の枠外にある「表外漢字」は手つかずのまま残された。これにより、「常用漢字は1点、表外漢字は伝統的な2点」という二重構造の歪みが誕生した。

さらに事態を決定的に複雑化させたのが、現代のIT黎明期に起きた「JISコード改定の経緯」である。1978年に制定された最初期のJIS規格(JIS78)では、パソコンの限られた表示解像度や当時の教育方針に配慮し、表外漢字の「辻」なども手書きに合わせてあえて「1点しんにょう」のグリフで登録された。そのため、Windows 95やXPの時代までは、パソコンで入力しても「辻」は1点で表示されていた。

ところが、2000年に文部科学省の国語審議会が「表外漢字字体表」を答申し、印刷文字の基準として「表外漢字は康熙字典の伝統に従い2点しんにょう(印刷標準字体)を原則とする」と宣言。これに準拠する形で2004年にJIS規格が改定(JIS X 0213:2004、通称JIS2004)され、なんと「辻」や「蓮」など168字の例示字形が2点しんにょうへと“先祖返り”を果たした。2007年のWindows Vista以降、最新のOSに至るまで標準フォントがJIS2004準拠となったことで、「突然パソコンの文字の点が増えた」という未曾有のフォント騒動が日本中で巻き起こったのである。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。