メタナイトを取り巻く言説の中には、長年のインターネットコミュニティで拡散された結果、事実のように定着してしまった都市伝説や誤解がいくつか存在します。本稿では取材に基づき、これらネット上の俗説を検証・是正します。
最も典型的な誤解は、「メタナイトはカービィの父親である」という説です。初期のネット掲示板や非公式の考察ブログ等で盛んに語られたこの言説ですが、公式設定資料集や任天堂の広報見解において、2人に父子関係があると言及されたことは歴史上ただの一度もありません。前述の通り、アニメ版でメタナイトが保護者や師匠のように振る舞っていた構図が拡大解釈され、いつしか「父親説」として一人歩きしてしまったものが真相です。
もう一つの根強い俗説が、「メタナイトは未来からタイムスリップしてきたカービィ自身である」というタイムトラベル説です。ダークネイビーの体色、剣の達人という属性から、幾多の修羅場をくぐり抜けて成熟したカービィの未来の姿ではないかと推測された時期がありました。しかし、この仮説も『星のカービィ 鏡の大迷宮』や『星のカービィ Wii』などで、カービィとメタナイトが完全に別個体として同時に戦場に立ち、それぞれの意志で行動している描写によって明確に否定されています。
また、「メタナイトは素顔を見られると死んでしまう」という極端な噂も散見されますが、これは敗北演出で仮面が割れて画面から消える挙動を、HPゼロ=死亡と短絡的に結びつけた誤解に過ぎません。彼は死んでいるのではなく、単に素顔を見られた恥ずかしさと敗北の屈辱から逃げるために、マントを使って撤退しているだけなのです。